buzzhouse designは元々グラフィックデザインの会社でパソコン用品のメーカーではありません。
では、なぜパソコンケースの販売を始めたのか。

グラフィックデザインとMacは切っても切れない関係で、buzzhouse designでもMacは長年愛用されています。
Macは単なる仕事道具というだけでなく、そのデザインやコンセプトがグラフィックデザインに共通するものがあります。
皆さんがMacを使う理由の1つもそうではないでしょうか?

デザインをする人間は特に個性を重要視するもので、そんな彼らが「いかにもOA用品」というデザインのケースで満足出来るはずがありませんでした。
売っていないなら自分で作ってみよう。これがこのケースの生まれたきっかけです。
グラフィックデザイナー視点のデザインと日頃Macを愛用するユーザーの視点からの実用性を程よく合わせたケースとして開発しました。
デザインで悩んだのは「フタ」部分でした。

よくあるパソコンケースが素っ気ないのはなぜでしょう?
それは機能に特化するあまり、デザインやその製品を使うことによる「味」をほとんど考慮していないからではないでしょうか?

金属の留め金で留めるのはたやすいのですが、パソコンを取り出す時に接触して傷になる事が気になります。
マジックテープは実用性が高いですがとてもチープになってしまいます。

皆さんこのケースを見てMacBookAirのCMを観て作ったと思われるのですが、実はその前からMacBookやMacBookPro用のケースをフェルトで試作していました。
そんな時に発売されたのがMacBookAirでした。
そのCMで封筒からMacBookAirを取り出すシーンを観たとき、このケースのフタの構造が決定したのです。
それはネタとしてではなく、実用性と古くから封筒で使われて来た留め方としての「味」でした。

マジックテープなら一瞬でフタが閉じるかもしれませんが、ノートパソコンケースのフタをヒモで閉じる動作そのものがデザインの一部なのです。
フェルトという生地は近年注目されている素材で、特に北欧製品などで多く使われています。

よくある機能重視のOAケースでは、その過剰な保護の為にケース自体の厚みが出てしまい、持ち運ぶのに大きくなってしまうのもネックでした。
また衝撃吸収の素材の多くは質感がいかにも衝撃吸収材で、高級感を感じられない物がほとんどです。

そもそも、そんなに厳重な衝撃吸収が必要なのでしょうか?
どんな衝撃吸収素材だったとしても所詮はソフトケース。高いところから落として無事である保証はありませんし、満員電車で圧迫されればパソコンは壊れてしまうでしょう。

そこでこのケースで必要な衝撃吸収能力は、日常使っていて受ける衝撃から守れる程度が妥当と考えました。
そのような視点から、ウレタンなどで補強しなくても素材自体に弾力がある2.2m厚のフェルトは必要な保護が出来るのに省スペースであり、デザイン面でも優れていると判断したのです。

またダブルステッチでケースの周りにマチを作る事により、カバンなどへ立てて入れた際にパソコンの淵にかかる衝撃を吸収しています。
大量生産品のスーツとオーダーメイドのスーツが見て存在感の違いがわかるように、低コストを重視した品物には多くの妥協が必要になります。

最初に書いたように、このケースは「売りたい」ではなく「使いたい」から始まったので、多くの点て作りが量産向けではありません。

例えば、このケースのダブルステッチの間隔は、多くの縫製工場で一般的なダブルステッチミシンの間隔より狭いため1度にダブルで縫う事ができず、1本ずつ縫っています。
量産の為に間隔を広くする事は、デザインや実用性を欠くので妥協したくない為です。

カーブに沿ってステッチを入れる事も技術を必要としますので、短時間でいかに多くの製品を作るかという量産的な作り方では作りにくいデザインです。

そもそもフェルトという素材は、弾力があり普通の布とは勝手が違うため、数社の工場が試作の段階で生産を断念しました。
有名なアパレルメーカーの製品を作る縫製工場でも根をあげられた程ですので、フェルトでここまでの繊細な作業をする事は技術を要します。

よってパソコンケースとしては高価な価格になってしまいましたが、ハンドメイドならではの質感や1つ1つに個性のある作りはその価格以上の価値があると、多くの方から大変ご好評をいただいています。